2010年10月09日

あとがき


 最後の記事になると思いますので、なぜこのようなものを作ろうと思ったのか、書いてみようと思います。

 2009年6月にFFXIVが発表されたときに、私の周りでは、このゲームの終末を語る人がとても増えました。もちろん私もこのゲームの未来は長くないのだなと直感しました。その時から、このゲームの意味について考えるようになったように思います。
 多くのプレイヤーは、FFXIでクエストの攻略やアイテムの取得を重要な目標と位置づけてプレイをしていると想像します。製作者ももちろんそのようなプレイを想定していると思いますので、そのようなプレイを行うことには問題はないと私は考えます。クエストやアイテムは一種の消費物とも言えるように思います。攻略されたクエストは、再チャレンジ不能なものはキャラクターを変更しないかぎりプレイされることはありません。再チャレンジ可能なものであっても、初チャレンジの時の感動を二度以上提供してくれる場合は少ないと想像します。アイテムにしても、多くのプレイヤーが取得し、そのアイテムの優位性が損なわれるに従い、そのアイテムの持つ魅力が次第に失われる(消費される)と思うのです(このようなプレイスタイルを仮に第一のプレイスタイルと呼びたいと思います)。したがって消費されたFFXIが価値を失い、そして新しいゲームに移行することは自然な流れのようにも思えます。
 しかし、クエストやアイテムを目的としないプレイを楽しむプレイヤも少ないながらも存在するように思います。たとえば、NPCやその他のヴァナ・ディールの風物を題材に小説や漫画などの二次創作物を作成しているプレイヤーが例として挙げられます。また、バリスタ等のPvPプレイ(私はこの分野について全くの素人でよくわからないのですが)において有効な戦術を立案したり、チームの運営を通じた経験を一般化して組織論にまで発展されている方もおられるようです。またここまで高度な活動までは至らなくても、NPCやヴァナ・ディールに存在する国家等の組織に対して深い思い入れをもって仲間と語り合うような行為については日常的によく目にするかと思います。このような、ヴァナ・ディールに存在する素材をもとに各自が知的利用を図る行為については「消費され、価値を低減させるのではなく、むしろ時とともに価値を増していく可能性がある」と思うのです。さらに一般的に見られるLS等を通じた新しい社会の形成などもそのような傾向があるように思います(これらのプレイスタイルを第二のプレイスタイルと仮に呼びます)。
 もし、FFXIVがリリースされ、FFXIがそれとともにサービス終了になるのであれば、それは第一のプレイスタイルである消費されるプレイによりFFXIが価値を失ったのであるという判断に基づいたものと考えられますが、第二のスタイルに基づいた価値は、未だヴァナ・ディールに存在しており今後さらにその価値を増していく可能性があるにも関わらず、それを葬り去ることを選択したことになります。私は、ヴァナ・ディールの様々な風物をとても愛しておりますので、そういうものを永久に失うことはとても残念なことだと思いました。自分は、上手に絵を書いたり、人を感動させる小説を書いたりする能力は全くないけれども、この世界の魅力を語る作業のほんのわずかな一翼を担うような努力をしてみたいと思ったのです。そしてこの作業に取り掛かるようになりました。

 何故、短歌だったのかを述べてみたいと思います。最近の人々は文章を読むことを嫌う傾向があるということをよく耳にします。おそらくこのあとがきの長さについても、ほとんどの人の忍耐を大幅に超越する長さとなっていることでしょう。もし読んでもらいたいのなら、文章は短くしなければいけないと思いました。短い文章に多くの思いを込めるには短歌はとてもよい手段になるはずです。そのような考えと、昔、読んだ筒井康隆氏の『裏小倉』の感動とが結びつき、百人一首の替え歌のヴァナ・ディール版を作ってみることを思いつきました。筒井氏はプロの小説家ですから、文章だけで人を楽しませることができますが、私のような素人には、それだけの能力はありません。そこで、原典と意味を同時に掲示し、原典からどのように改変されたかが一目でわかるようにすることと、スクリーンショットを同時に表示して、歌に詠まれた状況を想像しやすくすることにより、わかりやすくすることにしました。そしてこれまで掲示したような態様となったのです。

 百個の歌を作り上げ掲示する過程で複数の方の力に支えられました。私のこの取るに足らない創作を力強く支えてくださったみなさんに深く御礼を申し上げます。
 特にお礼をしたいのは、度々コメント欄に感想を書いてくださったJameさんとどらみさん(あいうえお順)です。どらみさんとJameさん(アルファベット順)が度々感想を書いてくださることにより、しっかり文章を読んでくださる方がちゃんと居られることがわかりました。これは創作を途中で投げ出したいという悪魔の囁きに対抗する上で、私にとってとても大きな支えになったと思います。どうもありがとうございました。
 私の知らない間にリンクを張ってくださっていたこよろさんにお礼を申し上げます。ネットサーフィンをしていてたまたま見たプログに自分のブログのリンクが張ってあるのを見たことは、私にとってとても感動的な体験でした。自分の知らないところで見てくださる方がおられるということが心の支えになりました。
 当プログ開設後まもなくリンク設定をお知らせしてくださったNananさんにお礼を申し上げます。ブログ開設直後というのは創作への決意も希薄なもので、いつやめてもおかしくない程度のものでした。そういった中で、リンク設定のお話があったことは、この活動を前進させる大きな力になったと感じます。
 mixiの方に度々感想を寄せてくださったといちさんにお礼を申し上げます。FFXIキャラの色っぽい絵や愛らしい絵を掲示されておられますが、二次創作をされている方に興味を持っていただけることはとても光栄なことでした。
 アクセス解析の結果、GoogleやAmazonのBOT以外に度々当サイトを訪れて下さっている方がおられるということを把握しています。お名前はわかりませんが、そのような方がおられるということは私にとって大きな喜びでした。度々ここを見てくださった方にお礼を申し上げます。
 おそらくは故人となってしまったであろう最良の友人Nさんにお礼を申し上げます。Nさんはヴァナ・ディールをあまりにも深く愛していたので、末期癌の病床の中からノートパソコンでヴァナ・ディールにやってきて、ここにこないと体調が悪くなるとおっしゃっていました。あなたのように深くヴァナ・ディールを愛している人がいるとわかっていたからこの活動を続けることができました。もしあなたが、それを受け入れてくださるなら、この歌集をあなたの魂に謹んで捧げたいと思います。



2010年10月9日
無名歌人


 
ラベル:FF11 Bismarck
posted by 無名歌人 at 11:13| Comment(8) | TrackBack(0) | FF11百人一首 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
その後長いROMですいまえんでした。
そして楽しく読ませていただいてました。
ありがとうございました。
大まじめな雰囲気でさらっと面白いことを簡潔に表現されていたのがほんとにツボでした。
小倉百人一首は高校時代の必修クラブ活動で半寝の状態で聞かされていたのが出会いのきっかけでありましたが
現在にいたるまで百句↑↓の句ともに丸暗記しています。
大好きなヴァナ・ディールを懐かしい歌に乗せて詠んでくださったことを感謝します。
Posted by ななん at 2010年10月09日 14:43
 ななんさんコメントありがとうございます。私が目指していることをとても的確に理解していただいていたのがよくわかりました。これまで読んでくださってほんとうにありがとうございました。
 でも、そこまで百人に詳しいのでしたら、私のあやしい現代語訳やいいかげんな古文助動詞の使用法に眉をひそめられていたのではないでしょうか。それを厳しく追及せずに読んでくださったのだなあとありがたく思っています。
Posted by 無名歌人 at 2010年10月09日 16:04
サーバー総合という予想外の事態でフレンドとの別れという
悲しい事もありましたが
所属サーバーがビスマルクになったということが
このサイトへ訪問した最初の理由だったとおもいます。
コメントへの丁寧でちょっとひねった無名歌人さんの返信を
毎回楽しみにしていました。
ありがとうございました。お疲れ様でした。
Posted by Jame at 2010年10月10日 23:19
 たしかにビスとセラフの合体という事件がありましたね。セラフの方にとってはとても不幸で残念な事件だったかもしれません。廃れていた田舎サーバーのビスマルクにとっては、合併後賑やかになったのでとてもよいことだったのですが。
 これまでたくさんコメントを書いて下さってほんとうにありがとうございました。
Posted by 無名歌人 at 2010年10月12日 20:42
無名歌人さんのFF11の歌は、
フレとのなつかしい思い出や、
半分忘れてしまっていた出来事や、
ピンチだった事や、必死だった事なんかを、
ちょっとプッと笑いながら思い出したり、
そうそうあるあると思いながらクスッと笑ったり、
そういう、プッとかクスッとかが心地よく、
日々訪れるのがとても楽しみなサイトでした。

無名歌人さんの歌を読んで、
自分の思い出話や、思い浮かべた情景を、
好き勝手にコメントしましたが、
そのコメントへのお返事がまた楽しみでした。

百首目の更新の時に、
ああ、もう読めないのだなー、と思うと
とても寂しく思いましたが、
ここはこのまま残してもらえるようなので、
また、プッとかクスッとしに訪れたいと思います。
Posted by どらみ at 2010年10月13日 01:13
 どんなものにも始めがあれば、終わりがあります。会社を退職するとか、学校を卒業するとか、スポーツチームを引退するとか、あるいは人生そのものが終わってしまうとか。
 終わりが来たときに当事者が満足して終わることはもちろん重要なことですが、それにも増して惜しんでくれる人がいることはとても幸せなことです。どらみさんのように終わりを寂しいと感じてくれる方がいらっしゃったことは、私にとって最高の幸せです。ありがとうございました。
Posted by 無名歌人 at 2010年10月13日 19:23
mixiからここのブログの存在を知り、拝見させていただきました。
どの歌も無名歌人様のヴァナに対する深い想い入れが感じられ、共感できる歌が多数ありました。
私はビス鯖の住人でございます。
ヴァナで出会えることがあればその時はぜひ/tellいただけたら嬉しく思います。
私のブログにもリンク張らせて頂きます^^
二時創作という観点でいえば、自分はCGを製作しています。
それでは、またお伺いさせていただきます。
Posted by ないつん at 2011年04月28日 11:19
 暖かいコメントをいただきありがとうございます。もともとアクセス数の多いブログではなかったのですが、最近はめっきり訪れてくださる方が一層少なくなりました。にもかかわらず、ないつん様のようにしっかり内容を読んで下さる方が今日でもおられることを大変うれしく思います。
 更新こそ行っていませんが、私がヴァナを愛する気持ちは未だ変わることはなく、時間の許す限りヴァナの探訪を続けています。ビスマルクサーバーご在住とのことで、どこかで出会うこともあるかもしれません。その日を楽しみにするとともに、ないつん様の冒険が実り多きものとなることをお祈りいたします。
 当ブログにリンクを設定してくださり、ありがとうございます。私のほうからも喜んでリンクを設定させていただきます。
Posted by 無名歌人 at 2011年05月08日 19:53
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